部屋探し

物件探しのコツと入居までの手続きについて

引っ越しには何かとお金がかかります。特に敷金や礼金などの物件にかかわる初期費用はかなりのもの。まとまった出費のあるタイミングだからこそ、上手な物件選びをして損をしないようにしたいところです。
また、手続きや荷物の移動にかかる手間も大きく、一度引っ越してしまうとなかなか別の物件には移りづらいです。毎日を過ごす住まい選びですから、絶対に失敗したくありませんよね。
今回は物件探しのポイントと、入居までの手続きについて確認していきましょう。

◆上手な物件選び
●候補エリアは3つ用意しておく
引っ越し先が固まっている場合は問題ありませんが、そうでない場合は重要なポイントです。
希望地域が決まっていないと物件探しは困難ですが、逆に絞りすぎてしまうとちょうどよい物件を見逃してしまう原因にもなります。第3候補程度まで決めておくのが良いです。

また、希望エリアが「住むのに」適しているかどうかもチェックしておきましょう。
遊びに行ったり買い物に行ったりするのに適した地域と、住んで心地よい地域は違います。
交通の便がよく、お見せが沢山あるような場所は確かに便利ではありますが、家賃が高く、部屋も狭いです。騒音や治安の不安もあります。都会から離れて少し郊外に希望地域を移すだけで、広くて安価な部屋を借りることが可能になります。
あこがれの地域はあるかもしれませんが、本当にそこに住むのがいいのか今一度考えてみましょう。

もちろん、交通の便や通勤通学時間を何よりも重視するのであれば、都心に住むのも間違いではありません。重要なのは、便利さと快適さのどちらをどこまで重視するかの優先順位を決めることです。

●不動産屋の探し方
Googleなどで地域や駅、賃貸や不動産などと入力し検索すればひととおりの不動産屋を探し出すことができます。
不動産屋については、全国展開している大手と、地元密着型の不動産屋がありますが、それぞれに長所短所があります。数やネットワークは大手の方が上ですが、お得な掘り出し物は地元不動産業者で見つかる傾向にあります。

●不動産屋に行く前には必ず予約を入れる
事前に予約しておけば、あらかじめ候補物件を調べておいて貰うことができます。もちろん、突然行っても同じように調べてもらえますが、探してもらう時間が勿体ないので予約をおすすめします。下見や内覧は突然だと難しいこともありますが、予約をしてあればスムーズに物件が見られる可能性が高まります。

最近では、インターネットで物件を探して貰えるサービスもあります。すぐに不動産屋に行くのが不安だという人や時間を少しでも節約したい人は、こうしたサービスを活用するのも良いでしょう。

●予約時のポイント
予約の際には、希望地域と希望家賃を伝えることになります。もちろん、インターネットで気になった物件を具体的に挙げるのも良いです。

地域はともかく、家賃は相場がわからないと答えにくいので、電話をかける前にざっと相場をチェックしておくようにしましょう。
一般的に、家賃は月収の3分の1までが目安と言われています。この目安を超えると毎月の生活がかなり厳しくなります。毎月のやりくりに余裕を持ちたい場合は、3分の1よりも低めの金額を考えておくと良いです。

また、家賃の希望については、希望金額よりも5千円程度低い金額を伝えるようにしましょう。安い金額でいい物件が見つかるに越したことはありませんし、いくつか物件を見て回るうちにより家賃の高い物件が気になってくる可能性もあるからです。
一度いい物件を見てしまうと、それよりも低いランクの物件は選びにくくなってしまいます。良い物からどんどん下げていくよりも、最初は低めのランクの物件から見ていったほうが選びやすいです。

●不動産屋は複数見て回る
一つの不動産屋だけでなく、複数を見て回り、広い視野で物件を探しましょう。登録されている物件が異なるだけでなく、違う営業担当と話すことで見えてくることもあるためです。営業の人は早く契約を取ろうと言葉巧みに契約を促しますが、簡単に流されていては良い物件には出会えません。

●人気物件はスピードが大切
部屋探しは慎重に行う必要がありますが、あまりのんびりもできません。
いい部屋の条件は人によってそう変わりません。新築や築浅など人気の物件はすぐに埋まってしまいます。特に引っ越しシーズンの部屋探しは競争率が高く、早めの物件探しが重要となります。
短い期間で上手に物件を決めるためには、下調べと効率的なチェックがポイントとなります。

●物件選びの最重要ポイント
物件を探すにあたってチェックすべき重要なポイントをまとめました。

・金額は妥当か
家賃だけでなく、初期費用が支払い可能な金額かどうかも確認しましょう。
初期費用には、敷金、礼金、仲介手数料、2ヶ月分の家賃、火災保険料などが含まれます。
また、物件に対して高すぎる金額でないかどうかも重要です。高額なクリーニング費用などが含まれていないかも見ておきましょう。

・通勤、通学に問題はないか
駅やバス停までの距離やそこまでの道のりの治安も大切です。特に女性の場合は街灯の数にも注意しましょう。

・入居の日程に問題がないか

・周辺にスーパーはあるか
食料品や日用品を購入できるスーパーマーケットの有無は重要です。スーパーだけでなく、大きめのドラッグストアが近くにあるとより便利です。

・部屋そのものに問題がないか
部屋の傾きや異臭、その他設備に不備がないかどうかも下見の際にチェックしましょう。

●物件選びの基本的なチェックポイント
全てのポイントを網羅しようとすると、家賃もかなり高くなってしまいます。何を重視するかを考えながら、譲れない部分はどこなのか、あらかじめ優先度を決めておくと決めやすいです。

・災害時に大丈夫そうか
建物の構造や土地の状態、周辺環境から判断しましょう。川の近くの低地は要注意です。また、もともと沼地だったところを埋め立てたような地域は、地震の際に液状化したり地盤沈下を起こしたりする可能性があります。その土地が昔どんな土地だったかは不動産屋に聞いてみましょう。

・キッチンの使い勝手
コンロの数や作業スペース、シンクの広さが影響します。コンロは2つ口、できたら3つ口だと便利です。

・日当たりと展望
窓の大きさや窓の向き、方角が影響します。日当たりの良さは隣の建物も影響するため、窓の外の状況も見ておきましょう。
また、窓の外に墓地が見えるなど、あまり見たくないものは見えないかどうかも気になる場合は要チェックです。

・家具家電の設置スペースは十分か
旧居から持ち込む家具や家電がある場合、その置き場所があるかどうかは重要です。とくに洗濯機や冷蔵庫は置ける場所が決まっているため、サイズはあらかじめ調べておきましょう。
また、設置スペースだけでなく、搬入ルートも重要です。玄関や廊下だけでなく、エレベーターや階段と行った共有スペースの幅も見ておきましょう。

・近隣の施設について
近くに学校や大きな病院があるとチャイムや救急車でかなりうるさいです。特に救急外来は夜間でも出入りがあるため、騒音に敏感な人は避けましょう。

その他にも、以下のようなポイントを重視する人が多いです。
・バスとトイレは別か
・インターネットの回線状況
・楽器やペットはOKかどうか
・敷金礼金の値段
・駐輪場や駐車場に空きがあるか
・エアコンがついているか

●あると便利な設備や機能
家賃の高い物件では、以下のような設備や機能がついていることがあります。生活を便利になったり快適になったりするものも多いので、余裕があるのなら検討しても良いでしょう。

・床暖房
・ウオークインクローゼットやトランクルーム
・マンションの共有設備(フィットネスルームやパーティルーム等)
・ディスポーザー(生ゴミ粉砕機)
・おしゃれなデザイン
・マンションコンシェルジュ

●注意すべき物件
・マンスリー、ウィークリーマンションが一緒になっている物件
マンスリーマンションやウィークリーマンションは短期間で住人が変わります。引っ越しの回数も多くなるため、騒音が生じやすいです。十分の入れ替わりが激しく、顔を覚える間もなく変わってしまうこともあるため、防犯面での不安もあります。
また、一度騒音などを注意してもすぐに住人が変わってしまい、また注意し直さなければならなくなるというトラブルもあります。

・条件の良すぎる物件
「駅から近くて新築なのに、家賃が安い」などのような条件の良すぎる物件は「おとり物件」の可能性が高いです。「おとり物件」は実際に借りることができないにもかかわらず、人の気を引くためだけに掲載されている物件です。
物件そのものが存在しないということは稀ですが、空いていない部屋であることがほとんどです。

●下見でチェックするべきポイントは?
実際に部屋を見られる下見は物件探しの中でも最重要プロセスです。

・部屋の間取り
図面と実際の間取りが違う場合があります。図面と違うところがある場合は理由も聞いておきましょう。

・設備に問題がないか
壊れている設備や汚れているものがないかどうかも重要です。シャワーなどの水圧も必ずチェックしておきましょう。

・隣人や共用スペースの状況
隣のベランダにゴミがたくさんおいてあったり、廊下などの共用部が汚かったりする物件は避けましょう。ゴミ捨て場も重要なチェックポイントです。ゴミ置き場が綺麗かどうかも重要ですが、その物件専用のゴミ捨て場があれば好きな時間に捨てられるので便利です。

・周辺環境
日当たりや騒音に問題がないかも重要です。地図で見られる情報が最新とは限りません。

・カビや雨漏りの心配がないか
天井や壁にしみがある物件は要注意です。雨漏りや水漏れの恐れがあります。また、間取りや建物の構造上の問題でカビが生えやすい場所があるケースもあります。見た目だけでなく、カビ臭さがないかどうかも確認しましょう。

・電波状況
携帯の電波はどの部屋でも届くかどうかも確認しましょう。

・収納について
収納スペースが十分かどうかも実際に見て確認しましょう。図面では大きく見えていても、実際は柱や配管などで不十分な場合もあります。
また、収納の奥は建物の中でも壁が薄い部分です。ここを軽く叩いてみることで音の響き方がわかります。

◆入居までの流れ
●申し込み
入居審査に必要な個人情報を渡します。入居審査の際には連帯保証人が必要となります。申し込みの段階ではまだキャンセルか可能です。

申し込みに必要な情報はおおよそ以下の通りです。
・名前
・年齢
・現住所
・勤務先とその住所
・年収
・連帯保証人について
 名前
 住所
 勤務先とその住所
 年収

●入居審査
家主は部屋を貸す人に問題がないかどうかのチェックをします。家賃が払える収入があるか、社会的に問題のある仕事をしていないかどうか、などです。
審査の基準は物件によってまちまちで、一つの物件で審査に落ちてしまっても、他の物件なら大丈夫だったというケースもあります。
入居審査にかかるのは数日から1週間程度です。

●申込金
物件を仮に押さえるためのお金を払います。不動産業者によっては申込金の返還を嫌がることもありますが、キャンセルした場合は返してもらうことができます。法律で認められた権利ですから、渋られても強気に出ましょう。
また、申込金を預けた際には必ず預り証を発行してもらうようにしてください。書面での証拠がないと返還を求めにくくなります。

●重要事項の説明
不動産屋から重要事項についての説明や、賃貸契約の説明があります。難しい内容が多いのですが、この説明をいい加減に聞いていると後で大損する可能性があります。不明な点や分かりにくい部分については必ず確認し、疑問点が残らないようにしておきましょう。
契約書の内容で注意したいのは、退去時の敷金の取り扱いについてです。敷金は本来大きな問題がなければ戻ってくるはずですが、契約書に「退去時にクリーニング費用を請求する」と書かれている場合は、敷金からクリーニング代が払われてしまいます。

●支払い
敷金、礼金、仲介手数料に加え、家賃と火災保険料の支払いを行います。
敷金は2、3ヶ月分の家賃、礼金は家賃の2ヶ月分程度までの金額、仲介手数料は一月分の家賃程度までのことが多いです。
まとまった出費となるため、覚悟して挑みましょう。

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