引っ越しの見積もりは訪問見積もりが基本です。
荷物の量がどのくらいなのか、それを詰めるのに必要なダンボールの数はどのくらいなのか、また、家具や家電の大きさはどうかなど、チェックしなければならないポイントが多々あるためです。素人が正確な荷物量を把握するのは難しいため、プロの目で直接確かめに行くのです。
しかし、一人暮らしなどで荷物の量が少ない場合は、電話で見積もりを済ましてしまうこともあります。電話で見積もりをするのと、訪問で見積もりするのとでは何が違うのでしょうか? また、電話見積もりの際に注意するポイントはどこなのでしょうか?
●荷物が多い場合は訪問見積もりにする
単身引っ越しであれば荷物が少ないので電話見積もりで済んでしまうことも多いのですが、荷物が多い場合は必ず訪問をお願いするようにしましょう。
電話見積もりは営業の人が家に来ることもなく、口頭で済んでしまうため楽な方法に見えます。そのため、多少荷物が多くても電話見積もりを希望する人が少なくありません。
しかし荷物の量は見積金額に直結します。しかも、荷物が増えれば増えるほど正確な量を把握するのは困難になります。来客が面倒でも、荷物が多い場合は素直に訪問見積もりにしたほうがトラブルになりません。
また、引っ越し業者も荷物量が一定を超えた場合は必ず訪問して見積もりを取る、と決めているところが多いです。例えば、1.5tトラック以上になりそうな場合は訪問見積もりを行う、と言った具合です。電話見積もりをした上で、引っ越し前までに直接荷物量を確認しに行くというルールの業者もあります。これでは電話見積もりの意味が無いのではないように見えますが、出した見積もりで問題ないかどうか確認しにわざわざ来るのです。それだけ荷物の量が引っ越し業者にとって重要な情報ということです。
荷物が多く、電話見積もりを断られた場合、他の業者に変えても同じように断られてしまう可能性が高いです。どの業者でも訪問見積もりが必要になる量は同じぐらいに設定されているためです。
●荷物量は正確に伝える
電話見積もりでは、主に家具や家電などの大きさ・数を口頭で聞き取り使用するトラックの大きさを決めます。そしてこのトラックの大きさから見積もり金額を決定します。
この聞き取りの際に、伝え忘れた物があると、当日トラックに荷物が積みきらない可能性があります。
荷物量の聞き取りを口頭で行った場合、記録が残りません。積み残しがどちらの責任なのか分からず、トラブルに発展するケースが非常に多いです。
ただ、言い忘れにしろ聞き忘れにしろ、トラックに乗らないものは乗りません。積みきれなかった荷物は別の方法で送ることになります。業者に追加料金を払って運んでもらったり、自分で宅配便を手配したりすることになります。
中には、ペナルティとして申告漏れしていた荷物には追加料金を課す業者もあります。
こうしたトラブルを避けるためには、電話で荷物の量を説明する際に、抜けがないようにすることが重要です。電話をかける前に、持っていく荷物の量や大きさをリストアップし、忘れているものがないかどうか確認するようにしましょう。
●電話見積もりは割高になりやすい
電話見積もりは訪問見積もりに比べて荷物量の把握が難しいです。先ほど述べたように、伝え忘れている荷物がある可能性もあります。そのため、引っ越し業者は聞き取った荷物量よりもすこし大きいトラックを手配します。
トラックに多少空きスペースがあっても問題にはなりませんが、積み残しがあるとトラブルになりかねないため、確実に積めることを重視しています。
この対策のお陰で、電話見積もりでも積み残しが発生することは非常に少ないです。
反対に、聞き取った量よりも実際の荷物が少なかったとしても値段が安くなることはありません。空きスペースがあったとしてもトラックの大きさはもう変えられないためです。
結果的に同じ荷物の量でも、訪問見積もりに比べると電話見積もりの方が大きいトラックを手配することになるため割高になってしまいます。空きスペース分の損をしたくないのであれば、訪問見積もりをお願いしたほうが良いです。
●見積もり後に無断で荷物を増やさない
電話見積もりは荷物量の把握が困難であるため、業者でも多少の増減に対応できるように対策をしています。引っ越しに相当慣れた人でない限り、正確な料を伝えることは難しいですし、人間ですからうっかり伝え忘れることもあります。
ただ、意図的に荷物を増やし、それを業者に伝えないままにしておくのだけは止めましょう。新しい生活に備えて新しい家具や家電を揃えたい気持ちもわかりますが、そういったものは新居に移ってから購入した方が輸送の無駄もありません。
どうしても新しいものが買いたい、もしくは伝え忘れている家具があった、という場合は必ず連絡を入れてください。大抵の場合、トラックには余裕がありますからそのままの値段で積むことができます。荷物が増えたことを伝えたからと言って、怒られることはありません。むしろ、ちゃんと報告してくれたことを感謝してくれているかもしれません。
家具や家電だけでなく、ダンボールの量が増えた時も連絡を入れましょう。貰ったダンボールを使っている場合、その渡したダンボール量にあわせたトラックを用意しています。勝手にダンボールを増やしてしまうと、当日積み残しになってしまう可能性があります。